住民ディレクター事典

地方創生のヒント満載!!

民放での本格住民D番組

2000年~2002年 『新発見伝くまもと』熊本朝日放送(KAB)

くまもと未来国体翌年(2000年)から、毎週30分番組を制作した「新発見伝くまもと」(熊本朝日放送(KAB))は、番組のキーステーションを住民ディレクターが盛んな人吉球磨地域に置きました。熊本で放送される番組は通常全て熊本市がキーステーションになって熊本市民の視点で県内各地を見て回り、最終的には熊本市民にとってメリットを探すものです。「新発見伝くまもと」は名前の通り新しい発見を伝える番組として企画し、住民ディレクターの目線で県内の地域活性化に寄与すべく作った番組です。最も盛んな人吉球磨地域に学ぶ番組でもあり、毎週各地からゲストを人吉に呼び、番組づくりがどのように行われているかも体感して帰ってもらう全く新しい仕組みでスタートしました。このころから獣害の問題は人吉球磨では切迫した大きな課題でしたが同じく水俣や阿蘇でも共感が強く話題はどんどん深まります。しかし、熊本市ではピンとこないのですが、番組としては熊本市内でも近い将来起こりうることを人吉球磨から伝えている側面もあったのです。現実に今、この問題は全国どこでも共通の課題になりました。このように番組の支点を人吉球磨に置き、住民ディレクターの視点ですすめていく新発見伝くまもとは動けば動くほどに共感者を集め、既存の放送にない独自の切り口と地域づくりの実践活動が注目されました。熊本朝日放送でも夕方ワイドでの放送に切り替え益々注目度をあげていきました。スタート後3年目には視聴率も15%前後を常に確保し全国のニュース教養部門ベストテンでNHKスペシャルに続く10位に入る快挙も上げました。この新発見伝くまもとはテレビ界に新しい方向性を打ち出しましたが、その後既存のニュース枠に入り、局員が主導し始めたことから住民ディレクターの本来の魅力やパワーは無くなり、地域活性化番組ではなくなり現在に至っています。

くまもと未来国体チーム、人吉球磨広域行政組合、山江村の住民ディレクターらが協働し、制作した『新発見伝くまもと』は2年間で100本制作しました。