住民ディレクター事典

住民ディレクター講座

わが街地域のドラマ制作

いわゆる“ドラマ”とは違う、地域づくりにつながる住民ドラマのつくり方についてお伝えした講座

2014年9月 福岡県・うきは寺子屋にて開催(3日間講座)

第1回目で取り上げたのは、
熊本県民ドラマ「平成元年のタイムスリップ」(1989年)

ドラマ1
熊本市の中心商店街を舞台に、タイムスリップしてきた熊本市電の運転手の人生を巡って織りなす家族愛を描く娯楽作品。数千万円は必要なドラマの制作費をわずか数百万円で制作しました。
当時、数千万の予算が必要なドラマを住民の手作りでつくろうというテレビ局も、地方自治体もありませんでした。それどころか予算の問題から、地方のテレビ局が、本当に独自で地域をテーマにしたドラマをつくることすらまれでしたから、住民ドラマをつくるという発想自体その当時はなかったと言えるかもしれません。

そんな中でできたのが、
この「平成元年のタイムスリップ」です。
住民参加ドラマとっいっても住民がエキストラで出演するのがほとんどで主役が本当の熊本の女子高生というのも前例がないことでした。講座では、どうやってこの住民ドラマが実現できたのか?そして今、なぜ住民ドラマなのか? といったことについてお伝えしました。

ドラマ2 ドラマ3


肝心のドラマ内容ですが、25年前に制作されたこの住民ドラマ、
平成生まれの若いスタッフの感想は「今のドラマより、本質的なものが描かれていて面白い!」でした。
他にも「服装や髪型には時代を感じるが、家族の絆や、世代間の溝、戦争など、現代にも通じるテーマ。どうやってこのドラマを考えたんですか?」
「熊本の人や歴史が伝わってくる地域らしさを感じるドラマだった」といった感想も。
制作当時もドラマの評価は高く、一地方局が低予算でつくったにもかかわらず、
熊本以外の多数の地域でも放映され、放送による収入まであったということです。
実際にドラマを制作した監督と一緒にドラマを見て、
ドラマのつくり方や、感想を話す機会を新鮮に感じてくださった方も多かったようです。
さらに、その住民ドラマは自分たちの手でもつくれるものだという感覚も持っていただけたと思います。
講座の最後には、今後、うきは、あさくらなどの両筑の地域でドラマづくりの構想も発表!?


岸本プロデューサーの構想を受けて、


「心に違った風が吹いてきました」


「筑後川の文化を両筑一緒に考えたい」


といった感想もFacebookページに寄せられました。

ドラマ4 ドラマ5 ドラマ6 ドラマ7
フィクションで表現できるドラマは、地域の現状だけでなく、
将来の希望までも描くことができます。
自分たちが暮らす地域をどうしたいのか、考え、表現する機会としても、
住民ドラマは大きな可能性を持っていると思います。



八郎の壺(1993年)

山鹿鹿本広域行政組合と共同制作。商店街からさらに広域の地域づくりに関わる住民ドラマがを取り上げます。不老不死の男と革命家で浪曲師の宮崎滔天の長兄宮崎八郎との出会い、謎の「八郎の壷」を追いかけるサスペンスも絡めた「生きる意味を考える」ドラマ。宮崎滔天は、今話題の朝のドラマ「花子とアン」で、白連の最後の夫、宮崎竜介の父で、ドラマの八郎は叔父にあたります。

 

 

参考)うきは寺子屋ブログ より
http://www.ukihaict.com/?p=338